
2001年 11月
乙一 |
きみにしか聞こえない |
加納朋子 |
ななつのこ |
椹野道流 |
嶋子奇談 |
京極夏彦 |
今昔続百鬼ー雲 |
| 乙一 「君にしか聞こえない CALLING YOU」 角川スニーカー文庫 |
携帯を持っていない孤独な少女が、自分の中に空想の携帯を作りだした。ある冬の日、その心の携帯に着信音が流れ出し、それは彼女とよく似た孤独な少年からの心の電話だった。(「Calling You」) 他人の傷を自分に移し変える力を持っているアサト。父親を憎み続けているオレ。孤独な少年達がやろうとすることとは・・・(「傷」) 列車事故で恋人を亡くした主人公は、病院の裏庭で花の中で歌を歌いつづける不思議な少女を見つける。(「華歌」)
心が切なくて、でもほんわりと暖かくなる珠玉の3編。
3編とも好きだけど、私は「Calling You」で、も〜涙腺弱弱(T_T)
他人とうまくコミュニケーションが取れなくて誰とも繋がってない。そんな孤独な魂が作り出した、決して他人には分からない「心の携帯」。
彼女の所に電話してきた少年もまた、とても孤独で・・・でも、やっと誰かと繋がったって事は、2人にとってこの上も無い幸せなんよね。
なのになのに・・・神様はほんとに意地悪です(泣)
みんな見かけは仲が良さそうで繋がってるように見えても、誰とも心は繋がってない事が多いのに、一度も現実では出会ったことのない二人がここまで相手の事を思いやれる・・・
でも未来は決して残酷じゃなくて、そこでまた涙してしまいました(T_T)
| 加納 朋子 「ななつのこ」 創元推理文庫 |
短大生の駒子は、ある日「ななつのこ」という本に惹かれて衝動買いし、作者にファンレターを出そうと思いたつ。 日常に転がってた、ちょっと不思議な「スイカジュース事件」を書いて送ったところ返事が。 そして、そこには事件の解決編が添えられてあった。
一冊で2度おいしいって感じの本♪♪
7編の話は、小説中の「ななつのこ」の中の話と、駒子が日々出会うちょっとした事件がさりげなくリンクしていきます。
作中作の「ななつのこ」は、どこかの田舎に住んでいる「はやて」の周りで起こる事件を「あやめさん」が鮮やかに解決する話なんだけど、これだけでも一冊の小説になるくらい面白いです。
そして、駒子の現実の事件も鮮やかに解決する、作者の「佐伯綾乃」。
彼女の謎もまた絡んできたりして、3重構造みたいになっててほんと面白かった♪
7編の中では「モヤイの鼠」が一番面白くて、美術部だった人なら一度は味わったんじゃないかな、って事が解決になってます(^^ゞ
| 椹野 道流 「嶋子奇談」 講談社X文庫ホワイトハート |
森と敏生の強い味方、監察医・龍村センセの話。 彼が6歳の時、”神隠し”にあったという丹後半島の間人。 祖母から誘われ、森と敏生を連れて久々に間人を訪れた龍村は、忘れていた”神隠し”の記憶が蘇りはじめ、海からは彼を呼ぶ声がする。
今回は私の大好きな龍村センセの話♪
豪快で屈託のない彼の少年時代が、意外と繊細なことは意外だったけど、だからこそ、きっとあんなに優しく森と敏生を応援出来るんやろう。うん(^▽^)V
にしても、6歳の時の約束を絶対守ろうとする誠実さは、龍っちゃんらしいけど、やっぱいただけない・・・(ーー;)
残されたもんの哀しさとか、助けられなかった悔しさとかは、あんたが一番分かっとるやろ〜!
まぁ、分かってても、子供でも”オトコの約束”をしたって事にこだわるとこが、彼の彼であるとこなんやけどね。
それにしても、暑さに弱い森。もっとシャンとせんかい!(ま、私も他人に言えた義理ちゃうか(^_^;))
| 京極 夏彦 「今昔続百鬼ー雲」 講談社ノベルズ |
妖怪研究家・多々良勝五郎先生と助手の沼上君。 戦後まもなく、彼ら妖怪馬鹿コンビは、各地にある伝説や伝承を追い求めて旅をするが、二人とも”馬鹿”なのでいつも計画は無残に倒れいつも金が無い。 で、何故かその度、各地で怪事件に巻き込まれてしまう。 事件の真相には、本当に妖怪がいるのか?
多々良先生、サイコー!!!(≧∇≦)
も〜、大好きです、彼♪♪
あの、わがままで自分勝手、他人の迷惑なんかまるで目に入ってない不遜な態度(笑)
そして、いっつも尻拭いをしてる沼上くん。(ま、彼も馬鹿なんだけどね)
この二人の珍道中は、笑いなしでは読めないっす(^▽^)
どんな事でも全然見当ハズレの「妖怪」に結び付けてるのに、何故か犯人が勝手に深読みしてくれるという、摩訶不思議な事件の数々。
推理物としても、すごく面白いです。
シリーズを飛び越えて”彼”もやってきたりして・・・Ψ(`▽´)Ψ