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2002年 5月

飯嶋和一 汝ふたたび故郷へ帰れず
高田崇史 QED 百人一首の呪
藤木稟 CROOK 1〜5
福井晴敏 トゥエルブ Y.O.
乙一 暗いところで待ち合わせ

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飯嶋 和一   「汝ふたたび故郷へ帰れず」     小学館

 ボクサーの駿一は、たぐいまれな体格を持ちながらもボクシングを続ける事にうんざりし、見切りをつけて辞めてしまいアルコールに溺れていく。 しかし、かつての先輩やジムの会長の助けで依存症を克服し、故郷の宝島に帰り、島の人々の優しい気持ちに触れ、ボクサーとしての再起に賭ける。

 泣けました・・・も〜、なんでこんな良い人間ばっかりいるんやぁ〜(号泣) 
 迷惑ばっかりかけて、勝手にボクシングを辞めてしまった駿一に、それでも「共に戦えて光栄でした」という言葉を残したジムの会長。
 死ぬまで駿一の活躍を夢見て、スクラップをし続けてくれた宝島の彦兄ィ。
 現役の時は煩わしいと思っていた商店街の会長は、戻ってきた彼を心の底から応援してくれるし、本当に心にしみ渡っていくようなみんなの優しさで、どんどん固まっていた駿一の心が溶かされていく。
 駿一と一緒に私のトゲトゲ心も癒されていくようで、ほんとに涙涙でした(T_T)
 ボクシングのシーンが多いんだけど、全然知らない私でもリングの臨場感が手に取るように分かって、「がんばれ〜!」と思わず力が入ってしまいました(^^ゞ
 いやぁ、ほんとにいい話だったっす♪♪

高田 崇史   「QED 百人一首の呪」     講談社ノベルズ

 貿易会社の社長が殺され、手には百人一首の札が握られていた。 これは果たしてダイイングメッセージなのだろうか? 藤原定家が残した百人一首の謎と殺人事件の謎を、変わり者の天才(?)桑原崇が鮮やかに解明する。

 話題になってたけど、なかなか機会がなくて読めなかった「QED」シリーズ。
 古本屋で見つけて早速買ってみたんだけど、これがなかなか私好みで面白かったです♪
 こういう「うんちく」を理屈っぽくダラダラ言い続ける”タタルさん”。結構好きです(^^ゞ
 殺人事件と同時進行で進められる百人一首の謎解き。
 2つの謎が最後で重なってくるあたりは、も〜一気読みでした。
 ちょっとそれってムリムリじゃぁ・・・って思うとこもあるけど、百人一首の謎をこういう風に解明するとはって感じっす。
 それにしても、ほんとに百人一首の裏には、こんな壮大な秘密が隠されてるんだろうか??? 

藤木 稟   「CROOK 1〜5」     幻冬社文庫

 成長不全で同級生に「人三化け七(人間3割、化け物7割)といわれ、いじめられている照芽。 極度の不潔恐怖症で寝たきりの父親を看病している母親を持つ彼は、不思議なペットを飼っている。 同じようなペットを飼っているブレイン、ケースワーカーの圭子、彼らの周りに現れる狂気の者たち。 そして、照芽の家の恐ろしい過去が暴かれていく。

 1冊がほんとに薄いんで、5冊一気に読んでしまいました。(字も結構大きいし(^^ゞ)
 いやぁ、面白かった♪
 登場人物すべてがアブノーマルで、最初は「一体何の話なのか分からん」って感じだけど、少しづつ明らかになる何とも怪しく不気味な世界・・・
 照芽とブレインのチャットしてる所は、しゃべり方とか顔文字連発のとことか、「そうそう、チャットってこんな感じ」って思ったっす。
 作者も研究してるなぁ〜Ψ(`▽
´

福井 晴敏   「トゥエルブ Y.O.」     講談社文庫 

 若い頃優秀なヘリコプターのパイロットだったのだが、不慮の事故の恐怖で乗れなくなってしまった平貫太郎。 今は自衛隊の勧誘ノルマに追われている彼は、見つけた若者にはめられ、たった一人でコンピューターウィルスを操り米国を脅迫する「12」の戦争に巻き込まれていく。

 いつまでもアメリカから自立できない、12歳の子供の日本。
 そして12歳から先へ進まそうと、ただ一人でテロを起そうとするトゥエルブ。
 テーマはすごく深いし、それだけだったらきっと途中で読むのを挫折したかもしれないけど、この本には愛とか友情とかとっても人間くさいところもあって、私はそういう所がこの作品で好きだなぁ。
 昔トゥエルブに助けられた平は、今度は命がけでトゥエルブを助けようとするし、「ウルマ」を愛してる辻井もまた命をかけるし、こういう「人間まだまだ捨てたもんじゃない」ってとこに感動しちゃいます(T_T)
 人間は機械のように何の感情も持たずにはいられない。
 人間兵器のような「ウルマ」だって、心の奥底深くには”愛”という種を持っていたし・・・
 「ウルマ」ってなんか”綾波レイ”に似てる気がするのは私だけかなぁ?(^_^;) 

乙一   「暗いところで待ち合わせ」     幻冬社文庫

 アキヒロは職場の人間関係で傷つき、ミチルは視力を無くして他人と距離を置く生活を送っていた。 ある日、駅のホームで殺人事件が起こり犯人として追われたアキヒロは、駅のホームから見えていたミチルの家に逃げ込む。 家の居間でうずくまるアキヒロと、他人の気配を感じながらも身を守るためし知らない振りをするミチル。 しかし、寂しい心を持つ二人に少しずつ不思議な想いが通い合う・・・

 ミチルとアキヒロの一人称の話が交互になってて、少しずつ自分の存在を確かめ合う、何とも緊迫した雰囲気が続きます。
 でも、寂しい心は言葉で語らなくても空気で伝わっていくものなのかなぁ・・・
 全然話さないまま、それでもいつの間にかミチルはアキヒロの分まで晩ご飯を作ってるし、いつも傍にいてくれる事がうれしく思えてしまう。
 目が見えないからこそ、相手の本当の姿が見えてくるものなのかもしれない。
 話はひっそりと淡々と進んで行くんだけど、さすがです。これだけでは終わりません!
 ミステリーとしてもほんとに面白かったです(^v^)

 

 

 

 

 


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