2003年 2月

福井晴敏

終戦のローレライ

大沢在昌

毒猿

北森鴻

凶笑面

石田衣良

池袋ウエストゲートパークV 骨音

乙一

失踪HOLIDAY

恩田陸

象と耳鳴り

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福井 晴敏   「終戦のローレライ」     講談社

 第2次世界大戦の終戦間近、ドイツの潜水艦は「ローレライ」という秘密兵器を海底深く沈めた。 日本軍はこの潜水艦を戦利品として「伊504」とし、新たな乗組員を搭乗させ「ローレライ」回収を命じる。 それは軍令部の浅倉大佐が望む「あるべき終戦の姿」を実現する為の第一歩であった。 「ローレライ」回収を命じられた正人が見た、究極の兵器の正体とは・・・

 泣いて泣いて泣いて泣きました・・・(T_T)
 すっごく分厚いし、専門用語も「亡国のイージス」以上に出てくるし、ヘトヘトになるんだけど止められない。
 んで、最後はも〜涙で文字が見えなくなりました。。。
 悩んで迷って本当に人間として正しい事をしようとする彼らの姿は、人間はこんなにも美しく散っていけるんだろうかってくらい、みんな美しいのです。
 平和な今の日本に暮らしていると、この平和はずっと昔から続いているような錯覚をするけど、ほんの60年ほど前は戦争の真っ只中で・・・
 いろんな人の想いを背負って今の日本があるんだなぁと思ったりして、いろんな事を考えさせられた1冊でした。

 そして、美少年&美青年好きの私♪ 今回も満足させてくれた存在がフリッツ君♪
 「亡国〜」の如月くんと同じでロン毛、そしてナチのSSの制服とくりゃ、も〜よだれもんです(≧∇≦)
 最初は氷のような雰囲気をまとってるけど、少しづつ人間的な面を見せ、それを自分で何とかごまかそうとするとこが、なんとも女心を切なくさせるのよねぇ〜

大沢 在昌   「新宿鮫U 毒猿」     光文社文庫

 鮫島刑事はある日出会った台湾の刑事から、狙った者は必ず殺すという台湾の「職業兇手」(殺し屋)が、裏切り者を追って日本に潜入していると聞く。 殺し屋の名は「毒猿」。 旧友である彼を捕まえる為に台湾の刑事は日本にきたのであった。

 新宿鮫シリーズ、第2弾。
 今回は鮫島刑事は脇役にまわり、「毒猿」と彼に追われる男が中心の話です。
 とにかくアクションシーンがすごくて、ちょっと「ぐえっ」って気分になるけど、スピード感がすごくて手に汗握る感じでした。
 特に最後の新宿御苑の戦闘は、行ったこともない場所なのに、どんどん「毒猿」に近づいて行ってるようでドキドキ・・・
 目の前に広がる大惨事に「ひえ〜〜」と顔をしかめてたりして。(電車の中で読んでたんで、思わず周りを見た私^^;)

北森 鴻   「凶笑面」     新潮文庫

 東敬大学助教授である「異端の民俗学者」蓮丈那智と、彼女の助手内藤三國。 彼らが民俗学の調査で訪れた土地で出くわす5つの事件。

 民俗学のミステリーってことで、私の大好きな分野です♪(といっても詳しくはないけど^^;)
 そして、とにかく那智センセがいい! 大好きです♪♪ イメージはオスカル様です。きゃ(≧∇≦)
 5つの話はどれも面白くて、短編なんだけど民俗学のいろんな分野が絡んでて、それがうまくミステリーになってます。
 特に「双死神」を読んだ時に、「もののけ姫」見て何にも考えてなかった「製鉄集団」と「だいだらぼっち」という事について、「ほ〜こういう意味があったんや」ってビックリでした。
  

石田 衣良   「池袋ウエストゲートパークV 骨音」   文藝春秋

 池袋のホームレスが次々と襲われ骨を折られる事件が起こり、トラブルシューターマコトの元に依頼がまいこむ。 そして、若者に熱狂的な支持を受けているバンド「デッドセインツ」の音楽に混ざっているある音・・・その音の正体を突き止める為に、マコトが池袋を疾走する。 

 IWGPシリーズ第3弾。
 今回もマコトは走りまくってます。 でも前2作よりはちょっと落ち着いた感じがするかな。 私には丁度いいくらいやけど(^_^;)
 地域通貨やハードドラッグ、名前は知ってても全然関わりのない世界にどんどんマコトが連れていってくれます。
 でも何より今回大活躍なのはマコトのママ! いやぁ〜こんなにすごい女だったとは・・・若い頃は相当修羅場くぐってそう(笑) 

乙一   「失踪HOLIDAY」     スニーカー文庫

 14歳の冬休み、大金持ちの一人娘のナナは継母と大喧嘩して家出する。 でもその家出先は隣の建物の使用人のクニコの部屋。 そこでこっそり家の様子をうかがうはずが、いつの間にか彼女は誘拐された事になっていき・・・

 ナナみたいな子、大好き♪♪ わがままいっぱいで、クニコの事をバカにしたりするけど、とっても寂しがり屋であまのじゃく。
 「ジャイアン」と言われる程の強烈さだけど、かわいいんだなぁ〜(^v^)
 親の愛を試す為にいつの間にか狂言誘拐なんて事までしてしまうけど、物語はそれだけじゃなくて結構伏線が張ってあったりして、とにかく面白いです♪
 もう一つの短編「しあわせは猫のかたち」は、人付き合いの苦手な「ぼく」とやさしい幽霊との心温まる話で、最後の幽霊の手紙には泣きました(T_T)
 見えない相手、話も出来ない相手、それでもそっと傍にいてくれただけで「ぼく」は前を向いて歩いていける。 そんな優しい話。。。
 

恩田 陸   「象と耳鳴り」     祥伝社文庫

 退職判事、関根多佳雄が出会う、なにげない話の中に潜む謎。 それを彼が鮮やかに解き明かす短編集。

 12編の短編収められてます。
 長さは物語によって違ってて、短いのはなんと7ページ!(;゜0゜)
 なんとなく、フワフワした不思議な世界なんだけど、ちょっと背筋が寒くなるような感じもするミステリーでした。 
 どの話もきちんと解決してるわけではなくて、関根元判事が推理した結論なんだけど、これが本当に鮮やかで面白い!
 こんな情報だけでなんでこんな結論に達するんだなぁ〜
 特に「魔術師」の都市伝説の謎は、案外こんな風に怪談話って広まっていくのかもって思って、子供の頃に聞いた「くちさけ女」とかを思い出したりして(^^ゞ
 出現すると言われたあの坂には一体何が隠されていたのか?な〜んて、想像力がないから何も浮かばん・・・とほ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 


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